研修指導科の概要

令和2年度 研修指導科の概要

消化器内科

消化器内科においての初期研修は、担当医といっしょに多くの患者さんに接するところから始まります。患者さんの症状について担当医と検討し、その病態をいっしょに把握していきます。その上で治療方針をエビデンスに基づいて決定するプロセスを理解していきます。一方、救急外来などで初診の患者さんの診察を通して救急処置の必要性を判断する能力を身につけていくことも勉強していきます。また、実際に担当医あるいは指導医の下でさまざまな診療手技を実施することでその確実性と安全性を高めていきます。一通りの診察が可能となるまで指導医、担当医が共に診療にあたります。

後期研修には、消化器病全般の診断、治療に積極的に携わりつつ、さらに専門的視野を備えた医師を育成することを目的としています。とくに消化管の早期癌の治療については、近年、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が注目されていますが、当院ではESDを2000年から精力的に行っており、胃腫瘍に対するESDは累計2000例程におよび道内では屈指の症例数を誇ります。なお平成29年は食道および胃ESDが約250例、大腸ESDが約100例でした。

後期研修ではESDにより治療が可能な早期癌を発見するための内視鏡トレーニングが織り込まれています。当院での平成29年における上部消化管および大腸内視鏡検査の総数は約12900件(上部9500件、大腸3400件)ですが、後期研修医には内視鏡検査に積極的に関わってもらいますので内視鏡センターでの研修は欠かすことができません。

肝、胆、膵領域は、現在のエビデンスに基づいた診断、治療を学ぶことを目標としています。後期研修では、様々な病態に対応する知識を整理して、ERCP、EST(乳頭切開術)、胆管ステント留置術のほかEUS(超音波内視鏡検査)やEUS下FNA(穿刺細胞組織診)など多岐にわたる手技を習得します。

消化器の進行癌に対する化学療法については、腫瘍内科が主として担当しています。エビデンスに基づいた最新の化学療法について学習するとともに、担当医の指導の下に実際に患者さんへの治療にも携わっていきます。化学療法は主に外来で行われることが多く、そのため外来化学療法センターが設置されています。また院内には緩和ケアチームが設けられ、緩和医療についても学ぶことができます。初期研修、後期研修の詳細は腫瘍内科の項を参照してください。

いずれの分野においても、臨床実習に止まらず学会発表などの学術経験も重ねながら研修します。当院は、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会の指導研修施設であり、学会専門医を取得する際には研修歴に算定できます。

腫瘍内科

研修医の皆様、腫瘍内科なんて特殊すぎて初期研修には向かないと思っていませんか?それは大きな間違いです。現在は日本人の3人に1人、近い将来には2人に1人が癌で死亡するといわれており、癌治療は医師にとって重要な分野です。また、癌患者さんは進行するにつれていろいろな合併症をかかえることになり、精神的にも肉体的にも苦しんでいます。そのような患者さんをサポートする過程で、結果的に内科で研修するべき項目は全てクリアできます。以下を参考にして、是非ご検討下さい。

腫瘍内科は消化器癌、肺癌、乳癌、婦人科癌など固形癌全般に対する薬物治療を専門にする診療科です。当科では外来治療や短期入院に重きをおいて、医師、看護師、薬剤師がチームを作り、クリティカル・パスを活用した標準治療からup to dateな情報を基にした最新の治療、そして終末期まで視野に入れたトータルなケアを提供しています。また当科では、世界的な標準治療の確立を目指しWJOG(西日本臨床腫瘍機構)やHCGGC(北海道癌化学療法研究会)などの臨床試験に積極的に参加しています。当科での質の高いがん治療は製薬企業の評価するところでもあり、抗がん剤や支持療法薬の新薬の治験や企業主導の臨床試験も行っています。

当院では2004年4月に腫瘍内科を新設し、院内のがん治療に関するリスクマネジメント、チーム医療の実践、がんに関する知識の普及に力を入れてきました。術後補助化学療法、転移・再発がんに対する治療件数は年間約5000件、その内約3000件を外来で行っており、283床規模の病院としては極めて多いといえます。さらに2016年10月に新病院に移転、放射線治療が可能となり、外来治療センターのベッドも14床から20床に拡充しました。ソフト面ばかりでなくハード面も充実し、最善のがん治療を提供できる環境が整ったと自負しています。

当院は日本臨床腫瘍学会の認定する研修施設に認定されており、化学療法センター長である辻靖は日本臨床腫瘍学会指導医です。日本の大多数の施設では、診療科は臓器別に分かれており、診療科毎に良性腫瘍から悪性腫瘍の診断から治療まで行われているのが現状です。しかし、悪性腫瘍に対する治療薬の開発は目覚ましく、適切な治療の選択には高度の知識が要求されます。当科ではさまざまな固形癌に対する抗がん剤治療、支持療法、緩和療法などの薬物療法全般について効率よく研修することが可能と考えています。

リウマチ・膠原病内科

膠原病・リウマチ性疾患は、同時に多臓器に障害を起こし得る全身性疾患群です。診断においてはいわゆる不明熱の鑑別能力も問われ、また多くの例が慢性疾患で感染症や臓器合併症も多彩なため、初期診断からフォローアップに至るまで常に全身を診る姿勢と、深く考える力が求められます。さらに、治療薬としての副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤、生物学的製剤は様々な副作用や使用上の注意点を有し、使いこなす力が求められます。

このように専門的知識と経験の蓄積のみならず、患者さんを全人的に診るGeneralistの能力が求められる当科は、研修という点では内科医としての基礎から応用広い知識や臨床能力を養う場として最適でもあります。かつ近年の患者さん数の増加や求められる診療レベルの向上に対し、リウマチ膠原病科の専門医はとくに北海道ではまだまだ不足しており、将来的にも人材が渇望されている領域です。

当科では膠原病診療の最前線で症例を受け持って頂き、専門知識と臨床能力を身につけて頂きます。初期研修では関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病・リウマチ性疾患や合併症の診療を通じ、専門知識のみならず不明熱の鑑別と対応、関節疾患の見方、肺をはじめとする臓器合併症への対応、ステロイド剤や生物学的製剤の使いこなしなど、プライマリ・ケアや他科の診療にも通じる知識・技量の蓄積も課題として研修して頂きます。

また後期研修ではより専門性を高めた研修を積むとともに、学会参加や将来のリウマチ専門医資格取得を目標に研鑽を行います。ストレートプログラムの場合、まず1年目は病棟診療を中心とした研修からスタートして頂き、外来診療の実践も経験しながら、リウマチ・膠原病の診療や生物学的製剤などの新規治療法の実践も含め、1例1例を深く診るトレーニングを積んで頂きます。当院は日本リウマチ学会認定教育施設であり、リウマチ専門医の受験資格に必要な症例も十分に経験できます。また北海道大学病院第二内科等の道内の専門施設とも活発な交流を行うとともに、日本リウマチ学会を中心とした学会活動参加を行っています。

糖尿病・内分泌内科

当院は官庁街や商業地区に隣接する立地条件から、いわゆる働き盛りの年代の患者さんが多く受診されます。このような背景から糖尿病外来の需要の高いエリアであり、当科単独で月平均1,200名以上の外来受診があります。その内訳は、糖尿病が約80%、甲状腺疾患ならびにその他の内分泌疾患が約20%で、内分泌疾患のなかには間脳下垂体疾患、副腎疾患、カルシウム代謝異常症なども含まれています。

この分野は検査や治療の進歩が目覚ましく、診療が複雑化しているため専門医が最も必要とされている分野の1つです。当院は日本内科学会認定施設(教育関連病院)であり、 当科は日本糖尿病学会認定教育施設、日本内分泌学会内分泌代謝科認定教育施設、日本甲状腺学会認定専門医施設であります。症例も豊富なため糖尿病内分泌分野の専門医取得に必要な経験と実績を十分に積むことができると考えています。また、興味深い症例については、学会発表や論文投稿も精力的に行っています。

診療体制は、2名の常勤医師ならびに後期研修医で月〜金の専門外来を運営し、入院は、1.糖尿病教育入院、2.糖尿病慢性合併症による入院、3.他科術前の血糖管理、4.内分泌疾患の精査・加療が主な内訳です。

初期臨床研修として当科に在籍する場合には、第一に自科の入院患者に最も近いところで接し、糖尿病診療の一般的な流れ(血糖管理、慢性合併症の評価、低血糖・シックデイなどのエマージェンンシー対応など)を経験して頂きます。さらに第二には他科入院中の糖尿病患者の院内往診を経て、周術期の血糖管理などに習熟して頂く。さらに在籍期間に症例に恵まれれば、電解質異常の管理や、下垂体前葉や副腎皮質機能の定量的評価を実際に行い、治療までの流れを経験して頂きます。

後期研修の場合は、自身が外来診療を行うなかで、外来診療〜入院適応の有無判断〜入院加療〜アフターケア、とさらに一貫して症例を経験することになります。また、より広範な内分泌疾患を経験できる筈です。

なお、以下に糖尿病専門医、内分泌代謝科(内科)専門医、甲状腺専門医の取得要件を示します。当科はこれらの専門医を目指す方々に協力を惜しみません。

血液内科

血液内科にて扱う疾患は主として血液悪性腫瘍や各種の血球減少症です。良性の血球減少症としては再生不良性貧血や特発性血小板減少性紫斑病の患者が時折、加療を要して入院してきます。

血液悪性腫瘍は、白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫等があり、治療の主体は化学療法です。化学療法を行うに際しては対象疾患に効果的な治療を選択することとともに、各種の副作用の予防・コントロールを行うことが肝要です。当科においてはこういった感染管理、G-CSFや輸血による血球数コントロールといった支持療法を日常的に行わなくてはなりませんが、これらの管理を習得することは、例え将来的に血液内科を選択しなくとも、臨床を続けていくのであれば、必ず有用となっていくものです。なお、造血幹細胞移植は当科においては自家移植までで同種移植は施行していません。

手技的な面では他の内科ではあまり行われないと思われる骨髄穿刺・生検は当科では頻繁に行います。その他、中心静脈カテーテル留置も比較的多く、さらに腰椎穿刺・抗癌薬の髄腔内投与も時に行います。

循環器内科

近年、生活習慣の欧米化に伴い、高血圧、糖尿病、高脂血症などの心血管疾患の危険因子を有する症例が増え、人口の高齢化と相まって循環器疾患の患者数は増加の一途をたどっています。

循環器内科では、常勤医四名体制で診療にあたっています。平日日勤帯と、3か月に2回の札幌市呼吸循環二次当番、月に1回の札幌市ACS当番の際に、循環器救急患者の受け入れを行い、急性心筋梗塞、不安定狭心症、急性心不全、不整脈など多彩な救急疾患の診療を行っています。

また、健康診断や他科/他院通院中にみつかった循環器疾患の精査加療や、循環器疾患を合併した患者の周術期や入院中の管理などを担当し、心臓超音波検査、運動負荷検査、心血管カテーテル検査/治療、ペースメーカー治療などを行い、労作性狭心症や末梢血管疾患、慢性心不全、不整脈などの検査や治療にあたっています。特に最近進歩が著しい心血管カテーテル治療を適応に応じて積極的に行っており、低侵襲で治療効果が得られる治療法として症例数も増加しています。

更に当院では心臓血管外科により開心術も行われており、循環器疾患の治療を当院で完結できるようになり、月に一度のカンファレンスで手術適応を検討し、協力して治療にあたっています。

このように、循環器内科では、一昨年の病院新築移転後より設備や体制が整い、幅広く循環器疾患を経験し、学ぶことができるようになっています。また、循環器内科での研修により、複数の疾患をかかえる患者を経験することで、循環器疾患の治療のみならず、患者の全身的な管理方法も学ぶことができるものと思います。興味のある方は循環器内科での研修を是非ご検討ください。

外科

1. 理念

北は札幌駅と南は大通り公園の間、北海道庁(赤レンガ)の真ん前に位置する 札幌市中央区の基幹病院の外科として、現時点での最高水準の外科治療を提供することを理念としています。

扱う領域は、消化管、肝胆膵などの消化器疾患、乳腺などの内分泌疾患、肺、縦隔などの呼吸器疾患、またヘルニアや痔核などの一般外科疾患です。特に、食道、胃、大腸などの消化管悪性疾患に対し低侵襲手術として胸腔鏡、腹腔鏡下手術を積極的に導入し、創の小さい、体にやさしい手術を実践し実績をあげています。また、 患者さんや周囲の人たちに信頼される医療を提供すること 、よく学び、よく遊べ をモットーとし、若手外科医の教育に力を入れています。

2. スタッフと診療体制

スタッフは院長を含め 11 名で、他に北海道大学消化器外科 II からの医師が2人、他大学からの研修1名、また常時、数人の初期研修医が研修中です。

スタッフは、日本外科学会専門医が10名で、うち5名は指導医、日本消化器外科学会専門医7名、うち指導医3名、日本消化器病学会専門医3名、指導医2名、日本内視鏡外科学会評議員4名で日本内視鏡外科技術認定資格5名を有します。呼吸器外科専門医 2 名、乳腺専門医 2 名常勤しております。

入院患者は常にチーム全員で担当し、常時約 35 名の入院患者さんの診療を行います。なお、術後の化学療法の主体は腫瘍内科が担当します。

3. 診療内容

手術症例数は北海道でもトップレベルであり、2018年の全身麻酔手術総数は795件です。食道癌・胃癌・大腸癌・肝胆膵癌などの消化器手術が651件、呼吸器手術が 52 件、乳腺手術が 58 件で急性腹症は 21 件と、

いずれも北海道で有数の症例数です。

特に内視鏡外科手術を積極的に取り入れており、日本内視鏡外科学会技術認定は5名で、2018 年の手術数は 541 件で全身麻酔手術の75.2%を内視鏡手術で行っています。

また、2004 年 11 月から外来化学療法センターの開設、また、2005 年 9 月からの内視鏡センターの拡充に伴い、症例が年々増加しており、消化器内科と放射線科と一体となった診療体制のもと、診断、検査から手術、化学療法への一連の流れを 主治医として担当できます。また放射線科のインターベンション治療専門医の指導の下 PTCD などの検査や治療も十分に経験できます。

4. 研究業績

2017年の研究業績は、論文発表は21編でうち英文論文は6編です。学会発表は62回で、うち国際学会における発表が2回でありました。初期研修医が9回、後期研修医が4回の発表を行いました。各学会における座長を 17 件、講演会を6件を担当しています。

5. プログラムとその特色

初期研修のプログラムとしては、初期研修1年目では4週からで選択可能です。周術期を中心とした全身管理をベッドサイドで勉強します。病態生理はもちろん補液、経腸栄養などの基礎を学びます。研修早々に本番さながらのトレーニングボックスを用いて形成外科医・外科医による縫合・結紮実習があります。練習を重ねながら毎日のように手術助手、内視鏡手術のスコピストをしていただきます。中心静脈カテーテル挿入講習会を放射線科指導医のもとに習得し臨床実地しております。月に2~3日のけが災害救急は、札幌の中心部にある事から一日に多いときで 150 名以上の救急患者のプライマリーケア—を指導医のもとに経験できます。救急日においても縫合処置に関しては形成外科医の本格的な縫合手技を研修可能です。地方会での発表はもとより、近隣開業医を交えた月に一度の勉強会において発表いただいております。

初期研修2年目では、上記に加え全国学会発での発表をしていただきます。手術の準備として動物実験などで本番さながらのトレーニングを行い、胆嚢摘出術・虫垂切除・ヘルニア根治術などの全身麻酔手術の執刀いたします。平成 27・28年の 2 年間研修した初期研修医A 医師の全身麻酔の執刀は、急性虫垂炎 8 例、胆嚢摘出術 4 例、乳房切除 4 例、腹腔鏡下審査腹腔鏡 12 例、鼠経ヘルニア 2 例など 35 例の全身麻酔手術の執刀を経験いたしました。

後期外科研修プログラムは、北海道大学外科専門研修プログラムに登録して行われます。外科全般の知識、手技を身につけるとともに、研修終了後に日本外科学会の外科専門医取得が可能となります。

外科専門医取得のためには、北海道大学のプログラム管理委員会のアレンジにより呼吸器外科、心臓外科、小児外科など希望する科へのローテーションも可能です。

また、上記の業績に示したとおり、専門医取得に必要な学会発表や論文執筆に関する指導を行えるスタッフも充実しています。3人が、海外留学の経験者であり国際学会の発表も指導しております。特色として、北海道大学病院の消化器外科 II と密な交流があり、症例の紹介や懇親会などを日常的に行っていることがあげられます。

6. 若手医師に対する教育実績

卒後 3 年目で外科後期を開始した医師A の平成 29 年度 1 年間の執刀は、胃癌 3 例、大腸癌 7 例、鼠経ヘルニア15例、乳がん 3 例、胆摘 25 例、虫垂切除 10 例、審査腹腔鏡 14 例、など 76 例の全身麻酔を執刀しました。その間、全国学会 2 報告、地方会 1 報告いたしまた。筆頭論文を 2 編執筆いたしました。

7. 最後に

外科医は、診断から治療までに精通し、確かな技量を問われる時代なりました。当院ではいま脚光をあびている鏡視下手術を中心に据え、胆摘はもちろん消化管悪性腫瘍にも適応を拡げてこの分野の若手外科医の育成に力を入れております。

また、肝切除、食道癌手術、膵頭十二指腸切除などの長時間の手術や、重症患者さんの管理などハードな 時間を過ごさねばならないこともありますが、手術後に患者や家族から、感謝の言葉を頂いたときに抱く達成感や喜びは何物にも変えがたものがあります。夢を持って外科医を目指す意欲ある若手医師の応募を期待してます。

心臓血管外科

2017年の人口動態統計によると、日本人の死因の一位は悪性新生物で3割弱ですが、心疾患+血管疾患(脳血管を含む)+大動脈疾患は2割6分とかなり高い割合となっており、この領域の治療予防は、ますます重要な分野となっています。

これらは動脈硬化を基にする疾患が多く、治療には、薬物治療・カテーテルなどを使用した血管内治療・直接的な外科手術があります。

その外科手術を必要とする患者さんに、直接治療を施すのが心臓血管外科医です。直達治療をするしかない病変を持ってしまった患者さんに侵襲は大きいものの、多大なメリットのある治療を提供できる専門家です。

対象疾患は、冠動脈疾患・弁膜症・大動脈瘤などで、特色として人工心肺を使用しない単独冠動脈バイパス術の施行率は99%と高率です。

研修医の皆さんには、術前の検討・手術・術後管理を一緒にしていただきます。

術前の検討では、疾患の原因・程度・治療範囲・手術方法などを学んだのち、実際の手術方法を詳細に検討します。手術では、手洗いの上、第2ないし第3助手として手術メンバーの一員として活躍してもらいます。

術後管理では、手術後でたしかに疲れているところですが、患者さんの状態変化の著しいところですので、血管作動薬・強心薬などの使用や、それらの全身に及ぼす影響などを実感してもらいます。

これらを通じて、循環器疾患の理解と手術治療の要点を学んでもらいます。

また、手術は治療の一分野なので、外科と循環器内科を研修してから当科を選択すると、一層理解が深まります。

心臓血管外科への興味と理解をもっていただけたら幸いです。

整形外科

整形外科は運動器官の疾病・外傷を対象とし、その病態の解明と治療法の開発および診療を行う専門領域です。対象は脊椎・脊髄、上肢、下肢など広範囲に及び、内容も多様で治療の必要な患者数が極めて多いのが特徴です。更に高齢社会の加速による頚椎、肩、腰、膝などの変性疾患の急増、スポーツ障害や外傷等の増加ならびに労働災害や交通事故の多発に伴い,今後需要は一層高まると考えられます。

当院の整形外科スタッフは2019年4月現在常勤医師4名(脊椎外科2名、肩関節・外傷1名,一般整形1名)であり、北海道大学整形外科上肢班,下肢班,股関節班,脊柱班の出張医4名が専門外来と手術を担当しています。常勤および非常勤スタッフはこれまでも当院、北大整形外科や北大基幹病院で研修医の指導を担当してきております。当科は北大整形外科の関連病院であり、北大や同門関連病院でのカンファレンス参加・手術見学なども可能です。昨年度は1年目初期研修医11名、2年目研修医2名が1-2カ月ずつ当科研修を行いました. 

・初期研修プログラム

初期研修1年目では救急医療枠で4~8週間整形外科にローテーションし、2年目では選択科として最大48週間研修可能です。当科在籍時は、入院患者さんを指導医と受け持ち、教育的な運動器疾患症例の診断から治療までの流れを経験して頂きます。またプライマリーケアとして救急外来等での初期対応・治療や専門医への適切な相談ができる事を目指します。

・後期研修プログラム

臨床医としての基礎的な知識・手技・臨床能力を身につけ、良質の医療を提供できる整形外科医となるべく、まず上肢・下肢・脊椎疾患の治療をバランス良くしかも高度なレベルを目指して経験し習得して頂きます。さらに学会発表・論文作成も行える国際的なレベルの整形外科医を目指す事を目標としています。当科は北大整形外科の関連病院として、大学および関連病院との交流も活発ですので、札幌中心部にある当院を拠点とし特徴ある疾患などについては近隣の病院での発展的な研修も可能です。

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

耳鼻咽喉科における初期研修では、耳鼻咽喉科・頭頸部外科疾患に関して、専門的な能力を有する指導医の下で豊富な症例を経験し、優れた臨床能力をもつ医師を養成することを目的としています。

特に当科では一般耳鼻咽喉科疾患から頭頸部癌症例まで幅広い疾患に対応しており、頭頸部外科領域では癌に対する遊離皮弁による再建を含む拡大手術症例から、臓器温存を目指す縮小手術、放射線化学療法など、各種治療が実施され、耳下腺、顎下腺、甲状腺などの良性腫瘍に対する手術も多数行っています。

一般的な耳鼻咽喉科疾患では、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎や滲出性中耳炎、反復性扁桃炎、声帯ポリープ、音声改善手術や嚥下改善手術などの手術も積極的に行っており、扁桃炎・扁桃周囲膿瘍、急性喉頭蓋炎、突発性難聴、末梢性めまい、顔面神経麻痺など、急性炎症や耳鼻科救急疾患の入院治療も多数経験できます。

現在スタッフは、耳鼻咽喉科2名、頭頸部外科2名の計4名(耳鼻咽喉科専門医3名常勤)ですが、実際の臨床現場では垣根なく幅広く診療にあたっており、研修施設の認定も受けていて、充分な指導を受けることが可能です。

耳鼻咽喉科が扱う領域には、悪性腫瘍だけではなく一般的な耳鼻科疾患も含め、呼吸や嚥下などのほか、聞く、話す、嗅ぐ、味わうなど、単に生命を維持するのみならず、コミュニケーションやQOLにかかわる疾患、病態が多数含まれ、非常に興味深くやりがいのある分野です。ぜひ我々の仲間に加わる新しい力を待っています。

婦人科・生殖内分泌科

婦人科・生殖内分泌科は、若い世代からご高齢の方まで女性の一生に関わる診療領域です。婦人科初期研修において、女性を対象とする診察の心得から、診断、治療に至る道筋を、会得することができます。そこで、婦人科腫瘍、不妊生殖医学領域、思春期・更年期領域などの各領域における専門的な医療を、目の当たりにして経験することができます。不妊生殖医学領域では、一般不妊治療に加え、高度生殖医療(体外受精、顕微授精、凍結胚移植、精巣組織内精子採取術)などの治療を行います。平成元年には札幌初の体外受精児が当科で妊娠した実績を持ちます。

また後期研修では、婦人科全般の診断・治療に積極的に取り組む一方、専門的視野を携えた医師を育成することを目的とします。診療内容は、月経・ホルモン異常、不妊症、性感染症、膣炎、妊娠の診断と治療、子宮筋腫、子宮内膜症および卵巣腫瘍、子宮がん・卵巣がんなどの悪性腫瘍、更年期障害、骨粗鬆症などの中高年女性の疾患等、婦人科全般の内容が含まれています。

これらの疾患に関する手術は年間約400件行っています。年間の腹腔鏡下手術数は約220件、子宮鏡下手術数は約80件、研修指導は主に日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医が担当します。開腹手術、膣式手術、鏡視下手術(卵管鏡下手術・子宮鏡下手術・腹腔鏡下手術)に加え、悪性腫瘍に帯する手術療法も積極的に施行しています。2009年3月より全国に先駆けて単孔式腹腔鏡下手術を導入し、2010年日本産科婦人科内視鏡学会では学会賞を受賞しています。

また、当院では1年間に約100件の採卵、約100件の胚移植を行っており、泌尿器科医と連携して、男性不妊症の治療にも対応しています。研修指導は主に日本生殖医学会生殖医療専門医が担当します。

学会発表などの臨床研究も盛んで、積極的に全国学会発表、講演、論文発表を行っており、2012年日本受精着床学会では学会賞を受賞しています。

以上、当科は日本産科婦人科学会専門医制度卒後研修指導施設でもあり、婦人科と連携しながら、様々な婦人科疾患について、学術活動を行いながら専門性を高めた研修をすることが可能です。

形成外科

皆さんは「形成外科」と言われて何を思い浮かべますか?

眼や鼻などを治す顎顔面外科、悪性腫瘍切除後の再建外科、顔面骨骨折などの外傷、口唇裂や口蓋裂、多指症などの先天奇形の治療でしょうか。傷をきれいに縫うのが基本ですが、治りづらい傷を治したり、傷あとをきれいにするのも形成外科で、これ以外にも多くの分野にわたっており、一言では言えないのが答えです。新生児から高齢者まで、表在性のあらゆる部位を診ていく科です。それだけに見た目に直結する科だとも言えます。

当院の形成外科には、上記のようなさまざまな疾患の患者さんが集まってきますが、最大の特徴として、血管腫・脈管奇形センターを立ち上げており、道内はもちろん、日本全国各地から患者さんが来院され、全国でもトップクラスの治療実績を積み上げております。

形成外科は現在4人体制で診療を行っております。日常の診療のみでなく、症例や手術手技の検討を日々行い、学会発表などの場も多く、形成外科医としてお互い高め合っております。まずはその一員として診療に携わってみませんか。

形成外科を目指す人はもちろん、将来は外科系の診療科を目指す人、あるいは皮膚科や内科系を目指す人でも、「外傷の処置や縫合が上手くなりたい」などなど、是非形成外科研修を体験してみて下さい。

形成外科スタッフ一同お待ちしております。

眼科

眼科は眼そのものだけでなく、眼瞼や涙道などの付属器、視路や眼球運動に関係する中枢神経など、視機能そのものを扱います。

当科における初期研修では、眼科一般に関しての基本的な診断・治療を習得することを目標としています。その中には細隙灯顕微鏡検査や精密眼底検査、蛍光眼底造影検査、OCTなどによる検査・診察・診断から、網膜光凝固術(レーザー治療)など専門的な判断を要する治療まで含まれます。さらに白内障手術を中心に、硝子体手術、緑内障手術、角膜移植などの手術治療も行っています。

また、後期研修では、眼科専門医を取得すべく、診察・診断・治療と知識をより深めます。また手術も術者として積極的に症例をこなします。

診療体制は常勤医2名体制で行っています。加えて旭川医大からの出張で「角膜専門外来」、「網膜硝子体専門外来」を行っています。マンパワーとしては決して多くはありませんが、逆に多くの患者さん・疾患を診ることによって、検査・治療のプランを立てて実行する能力が身につきます。

眼科は外科系の中でもマイナーな科で、全身的な対処は苦手であるなどの点は否めません。しかし「見る」という視機能に踏み込める唯一の科であり、「マイナー」ではなく「スペシャリスト」の科であると言えます。患者さんの「見えるようになったよ」の一言のために頑張れる視機能の外科=眼科はいかがですか?

泌尿器科

泌尿器科は尿路を扱う専門科ですが、その守備範囲は広く、尿路癌などの腫瘍性疾患、先天性奇形などの小児疾患、排尿障害を起こす神経系の異常、尿路閉塞に伴う腎後性腎不全などなど多種多彩な病態を扱います。

初期研修医が遥かなる医業の習得の過程において、その一時期、泌尿器科で研修することは、その後多くの患者さんとの全人的なお付き合いをする際、必ず役に立ちます。

・ 尿閉の患者さんが救急外来に来たらどうするか?

・ 全身麻酔をかけたけれど尿道留置カテーテルが入らない! 腎癌が見つかったけれど取るべきか?

・ 尿管結石の痛みが取れないときはどうする?

ありとあらゆる臨床の場面で、泌尿器科での経験が生かされます。具体的には、病棟での患者さんの管理、泌尿器科小手術の経験、救急外来での泌尿器科処置の実際などを通して、泌尿器科の真髄の一端に触れてもらいgeneral doctor を目指す研修医を広くサポートします。

泌尿器科後期研修は、泌尿器科に興味ある研修医にさらなる飛躍の場を提供します。膀胱癌に対する膀胱全摘術、腎癌に対する腹腔鏡下腎摘出術など泌尿器科大手術に積極的に参加して頂きます。そのためには北大病院泌尿器科での手術見学もアレンジします。

前立腺肥大症に対するTUR-P などの経尿道的手術の習得を一つの目標とし、泌尿器外科医としての第一歩を踏み出して頂きます。他施設での透析療法の研修も希望により提供できます。

また、当院は日本泌尿器科学会専門医関連教育施設であり、学会発表の機会や論文作成の指導も十分可能です。

皮膚科

皮膚は人体で最大の面積,重量を有する臓器であり,体内と外界の環境を隔て人体の恒常性を維持する重要な役割を果たしています。そしてその役目を果たすためにさまざまな機能をもち, それを実現するための複雑な構造を有しています。何千、何万という疾患数がある中で、その診断に重要なことは肉眼的、病理組織的な観察力を養うことです。

斗南病院の研修では、実際に担当医とともに患者さんを診察し、皮膚生検などの検査を行い、commonな疾患を正しく診断すること共に、正しい治療が行えるようになることを目標として研修を行なって頂きます。また、研修医の先生が自身で生検した皮膚の病理組織所見を顕微鏡で見て理解することを目指します。研修中に報告できる症例があれば、英語雑誌へfirst authorとして論文投稿も積極的に指導します。

さらに、斗南病院皮膚科医師は北海道大学皮膚科から派遣されております。興味があれば、週に1度行われる大学でのカンファレンスに参加することも可能です。市中病院ではみることができない専門性の高い疾患を経験することができます。また、日本有数の皮膚科研究施設として知られている北海道大学での質の高いディスカッションを肌で感じるいい機会にもなると思います。

皮膚科のcommonな疾患を学びたい、専門性の高い疾患を学びたい、研究に興味があるなど、いずれの希望も対応できるのが斗南病院皮膚科研修の特徴です。

興味のある研修医の先生をお待ちしております。

麻酔科

当院麻酔科では周術期とくに手術中の患者管理を主体に、外科系各科の手術を年間約2800件担当しています。

1年目の研修では、あまりリスクの高くない症例を指導医と一緒に担当してもらい、静脈路確保、気管内挿管等の気道確保の手技、呼吸循環をはじめとした全身管理、周術期のモニタリング等について学んでもらいます。

2年目の研修では1年目の内容に加えて脊椎麻酔の穿刺等の手技、リスクの高い症例、麻酔管理の困難な症例の周術期管理を指導医と一緒に担当してもらいます。

また、北海道大学病院麻酔科の見学、研修を行うことも可能で、移植医療、小児心臓血管外科等の当院では経験することができない症例の麻酔を経験することもできます。

複雑化した手術医療を安全に行うために、当院では術前診察で患者のリスク評価をしっかりと行い、手術担当科だけでなく、看護師、臨床工学士たちとも協力してチーム医療を実践しています。 

放射線診断科

放射線診断科は主に CT、MRI の画像診断を行いその情報を各診療科の担当医に提供することで的確な診断、治療をサポートし、病院全体の医療レベルの向上に寄与する。また、画像誘導下の低侵襲治療(インターベンショナルラジオロジー、IVR)によって低侵襲血管内治療、経皮的直達治療、US、CT、MRI ガイドの生検など種々の病変の治療、侵襲的検査を行う。

1)画像診断

診断レポートを作成し診断と治療に必要な詳細な画像情報を提供することで主治医の正確な診断と治療法の選択をサポートする。また、院内の各種カンファレンスにおいて各科の医師の疑問に答え、画像診断の限界や他の画像診断の可能性などを提言する。

臨床研修では指導医の下でレポーティングシステムを使って CT、MRI のレポートを作成し、基本的な疾患の正確な 読影を通じて疾病を深く理解する。同時に最新の画像診断の限界、画像診断の今後の展望などを学ぶ。

 

2)IVR(インターベンショナルラジオロジー)

血管系 IVR は腫瘍、血管奇形、出血などの動脈塞栓術、狭窄・閉塞した血管の血管形成術、深部静脈血栓症のフィルター留置、門脈圧亢進症の静脈瘤塞栓術など多岐にわたる。

非血管系IVR は主に腫瘍のアブレーション(ラジオ波焼灼術 RFA、凍結治療)、各種ドレナージおよび US、CT、MRI ガイド下生検である。ラジオ波焼灼術は肺癌、肝癌、腎癌を US またはCT ガイドでニードルを直接穿刺して焼灼する。凍結治療は主に MRI ガイドで腎癌に直接凍結針を穿刺して治療する、極めてユニークかつ低侵襲な治療法だが、道内では当院でしか経験できない治療法である。

血管系、非血管系IVR とも適応基準、禁忌、有効性と合併症について学び、IC の取得を行う。また、実施に際して、患者と術者の被爆低減の基本を学習し、X 線透視、画像ガイドの正しい方法を習得する。

 

Ⅰ  血管系 IVR

Seldinger 法による動脈穿刺、基本的なカテーテル操作法を習得する。習熟度、期間によっては以下の項目も研修可能である。

1 胸腹部、骨盤内、四肢の主要血管の選択的造影。

2 症例によってはマイクロカテーテルによる超選択的造影、塞栓術。

Ⅱ 非血管系 IVR

1 超音波ガイドによる病変の直接穿刺技術の習得。

2 基本的なドレナージ技術の習得とチューブ管理。

3 超音波および CT ガイド生検法の習得。

4 RFA、凍結治療の基本を習得。

 

IVR に関しては全国的な IVR の研究グループで国内外の多施設共同研究を行い、世界に向けて情報を発信しているJapan Interventional Radiology Study Group (JIVROSG) の参加施設であり、最先端臨床研究の一翼を担っている。研修中は研究に参加し、研究法や結果の解析についても学ぶ。

研修中は画像診断、IVR とも可能な限り多くの学会、研究会に参加し、幅広い知識と技術の習得に努める。

病理診断科

病理診断科は内科・外科をはじめとする全科からの全ての臓器・患者を対象としてとして様々な疾患の確定診断を行います。具体的には組織診および細胞診・切り出し・術中迅速診断・病理解剖(剖検)を行っています。

当科の研修では各科の手術検体の切り出し・鏡検を行い実際に病理診断レポートの作成を行います。当院では胃・大腸・食道・肝胆膵の手術症例・消化管ESD症例が豊富でこれらの病理診断の研修は病理専攻を希望される先生方だけではなく将来消化器内科・外科を目指す先生方にも特におすすめです。

病理診断科では病理専門医2名、検査技師3名(うち細胞検査士3名)、その他の技術職員1名の計6名体制で標本作製、診断業務を行っています。

平成30年度の業務実績は以下の通りです。

組織診約6369件、うち迅速診断 約104件、細胞診約4080件、病理解剖約3件

病理診断科では、院内カンファレンス、院内・院外合同症例検討カンファレンスを定期的に行っています。病理診断科での研修で得た技術と知識は他の診療科での医療にも必ず役に立つと思います。 

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