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最新の肥満治療

 教えて!最新の肥満治療

 肥満は美容上の問題だけではなく、さまざまな病気を引き起こし、生命予後にも重大な影響をおよぼします。特に「肥満症」と診断された場合は適切な治療が必要になります。今回は、当院で行っている最新の肥満治療についてご紹介します。

 

1 肥満と肥満症

 肥満は体脂肪が体に過剰に蓄積された状態をいい、肥満症とは、肥満を原因とする疾患がある場合をいいます。合併する疾患によっては、生命に危険がおよぶ場合も少なくないので、医学的にしっかりとした治療が必要になります。

 

2 あなたは大丈夫?

 BMI(ボデイマス指 数:Body Mass Index) は、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数です。成人ではBMIが国際的な指標として用いられていますが、肥満の基準は国ことに異なります。日本では、日本肥満学会の基準を採用しています。BMI 値と内臓脂肪量は必ずしも相関しませんが、健康を維持するためには、普段から自分のBMIを把握しておきましょう。

  • 低体重 BMI 18.5以下 
  • 普通体重 BMI 18.5以上25未満 
  • 肥満1度 BMI 25以上30未満 
  • 肥満2度 BMI 30以上35未満 
  • 肥満3度 BMI 35以上40未満 
  • 肥満4度 BMI 40以上 

BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))  ※身長の単位は「m:メートル」です。

 

3 チームで行う肥満治療

 肥満症は、減量することで改善されます。肥満治療の目的は、肥満によって引き起こされるさまざまな健康障害を、体重を減らすことにより軽減させたり、発症を抑えたりすることにあります。ですので、単に体重を減らしたり、スタイル維持の目的ではありません。

 肥満の原因はさまざまです。ですから肥満治療は、多職種からなる肥満治療チームで対応します。

 当院では、内科医(糖尿病専門医)、外科医(消化器外科専門医)、精神科医、麻酔科医のほか、看護師(糖尿病療養指導士、手術室看護師)、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、臨床心理士、メディカルソーシャルワーカーなどが、生活面、精神面、食生活などそれぞれ専門的立場から、多角的に患者さんをサポートしています。

 以下にあてはまる方は、ぜひ「肥満外来」にご相談ください。

 

肥満外来のご案内

毎週木曜日午後              担当医:木島弘道(糖尿病・内分泌内科)

対象となる方

・BMl 35 以上

・糖尿病、脂質異常症、高血圧症、睡眠時無呼吸症候群のいずれかを合併している方

 

なお、肥満外科手術に関することは毎週月曜日午前あるいは木曜午後の外科、川原田陽まで

 

4 肥満治療の実際

 肥満治療の一般的な流れをご紹介します。

内科的治療:治療は、投薬、栄養指導や運動療法、カウンセリングなどを行います。食事もフォーミュラ食に替え、減量のための入院治療となることもあります。内科的治療で効果が現れた場合は、このままフォローアップに入ります。

外科的治療:6ヶ月以上の内科的治療でも効果が上がらない場合は、肥満手術の対象になります。腹腔鏡による内視鏡外科手術はからだにやさしい手術ですが、正常な胃を切る手術ですので、メリット、デメリットについても丁寧にご説明します。

フォローアップ:肥満手術をしたからといって、リバウンドしない訳ではありません。内科的治療や手術を契機として、ご自身で生活習慣を変えていくことが重要です。多職種が関わりながら、フォローアップしますのでご安心ください。

 

内科的治療:肥満治療について(糖尿病と肥満治療)

糖尿病・内分泌内科 木島弘道(糖尿病専門医)

 日本人は欧米人に比べてインスリン分泌が少ないのに加えて、過剰な栄養を摂取すると皮下脂肪よりも内臓脂肪がつきやすかったり、脂肪肝や筋肉が霜降りになりやすいといった体質のせいで、欧米人と同じ体重でも糖尿病を発症しやすい民族と言われています。肥満はあらゆる疾患の原因、または増悪因子ですので、体重が15kg増えるごとに早期死亡のリスクは30%増加するといわれています。しかし、高度肥満症になるとなかなか自らの意思で減量を達成するのは困難です。我々の肥満外来では、多職種のスタッフが関わることで包括的な肥満治療に取り組んでおります。さらに十分な効果が得られない場合に、当院では肥満手術という切り札を選択することも可能です。肥満合併糖尿病の患者さんにおいて肥満手術の効果は劇的であり、一例を挙げるとスリーブ状胃切除術を行った症例では糖尿病治療薬は93.1%で中止、インスリンは80%で中止可能であったとのデータが本邦より報告されています。

 

外科治療:肥満手術について

外科 川原田陽(消化器外科専門医)

 肥満症に対する手術としてはいくつかの術式がありますが、胃を小さくするなどして食事摂取量を減らす術式と、さらにバイパスを加えて食事摂取量と消化吸収能を減らす手術があります。

 肥満外科手術のうち、国内では2014年4月に腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が保険適用となりました。これらの手術を導入するにあたって術者基準、施設基準が設けられていますが、当科ではこれらの基準を満たした上で手術を導入しています。また,導入に際しては,外科医師だけではなく,内科医,麻酔科医,看護師,臨床工学士,管理栄養士,理学療法士,薬剤師,臨床心理士などがチームとなって研修を積んでおり,安全な導入のために万全の体制を整えています。

 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は胃を細くして(スリーブ:袖)食事摂取量を減らす手術です。

 手術は全身麻酔下に、腹腔鏡を用いて手術を行います。お腹に5〜15mmの穴(ポート創)を4〜5ケ所あけ、炭酸ガスでお腹を膨らませます。それから、腹腔鏡というカメラをお腹の中に挿入して、テレビモニターを見ながら手術を行います。胃をバナナ1本くらいの大きさになるように、胃の外側を特殊な器械を使用して切り取ります。切り取った胃は、お腹にあけた穴の一つを3cm程度に広げて摘出します。1週間から10日程度の入院期間で行っています。

 

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